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2025/06/29

25周年祝賀会

過日行われましたアトリエコモド創立25周年祝賀会におきまして頂戴致しました秋田光彦様よりのご祝辞をここに有り難く掲載させていただきます

 

まことにおめでとうございます。 斉藤青楓先生の門下の一人として、お祝いに駆けつけるべきですが、園務のためどうしても参加することが叶いません。僭越ですが、代わって一言お祝いの言葉を申し上げます。

 

 齋藤青楓先生は、斯界の大家である石飛博光先生を師と仰ぎ、修練を積まれ、今では毎年連続入選を果たされるなど、書家としての地位を年々高めておられることはみなさんご存知の通りです。東京の勉強会にも毎月のように出向かれ、新幹線の最終で日帰りの時もしばしばあるとのことで、向上心を忘れることなく、アクティブに行動される先生の姿にいつも心励まされます。

 

 書、というと、静けさや深さを連想しますが、青楓先生の書の世界は、それに加えて生き生きとした楽しさにあふれています。美術館に展示された作品も立派ですが、青楓先生の世界はご自身のリビングギャラリーがそうであるように、生活や暮らしの中にあって初めてよろこびの光を放つものであるかと思います。 楽しさとはよろこびであり、書とはよろこびの発露です。

 

 仏教では楽しいとは、正しくは「安楽」と言います。安楽とは、心身に苦しみがなく安らかなことを言います。エンターテイメント的な楽しいとは異なる、心の落ち着き、快さを指します。青楓先生の目指されてきた書とは、嗜む人も、また鑑賞する人も、あるいは、リビングのどこかで眺めているだけの家族やお客様も含め、この安楽をわかちあう、一つのご縁として築かれてきたものでないでしょうか。

 

  今日のこの日も、楽しさをわかちあう、つなぐ、という青楓先生の作品の一つです。私たち門下は、一人一人がその墨痕となって、心を繋いでともに書き上げてまいりましょう。そして、書を通してゆたかな人生を心から楽しんでいきたいと念じています。

 

  本日のご盛会を心よりお喜び申し上げ、一言お祝いの言葉といたします。 浄土宗應典院住職 学校法人蓮光学園 パドマ幼稚園学園長  秋田光彦