日記
冬至
柚子湯に入り、邪気を払い。
冬至は陰が満ちるとき、夜が一番長い日。
そして夜の陰が満ちたそのつぎに太陽が昇り、陽に転じると。
一陽来復。
だから日本人にとってこの日の出は何よりとてもとても大切な日であり一つのお正月であると、室礼のお稽古で宗匠からお教えをいただきました。
算木を一つ陽に変え、お床に飾ったりいたします
今しらじらと明けてきて…、何とも良い空気が流れ、大好きなとてもとても大好きな時間。
太陽の昇る時をしばし待って。
大切な夜明け。
よき夜明けとなりますように。心から心から願う。
東京
作品提出作業を終え、東京で1泊。
特に書展廻りもなく、ゆっくりホテルで過ごして。
様々と気づいたことを日記にしたためて。
自分の気持ちもしっかり見れて、また振り返りおもいだせることも色々あって。
書いている言葉に納得させられたり。
良い時間を過ごさせていただきました
帰りも快晴、富士山が綺麗
鳳凰
一番仕上がっていなかった、龍吟鳳舞 の作品。
二尺八尺に大字で四文字。懸命に書に向かい、良い線が出るようにと良い作品にと思案工夫そして集中を繰り返し。
何とかよしと思える作品に。
中でも、ある時、鳳の字を書くときに、いつものゾーンではなくて、ちゃんとこう書こうと意識はあるのに、身体が勝手に何かに動かされている持っていかれているような感覚になって。
筆もねじれ開き締まり、今まで出たことのない線が。もう一度と思ったのだけれどなん十枚書いても出ず。
二度その線を出すのは無理と判断。そんな線に出会えたことに心からの熱い思いが込み上げる。と同時に深い感謝が。
必ず必ずや、自分の書を。
汚れたらあかん、名人に付くんやでといわれた言葉がよみがえり。
ありがたさと寂しさと勇気が覚悟が入り交じる。
鳳の文字を、心にも焼き付けて。
一生の宝といたします
驚愕
空蝉のその後はどうなったのだろう…とふと思い。
何気にグクッてみたら、なんと。、
儚く消えていったのだろうと思っていたのですが、後の物語にしっかりと書き上げられていて。
その生涯に心震える。
物語
バラバラに一つ一つ懸命に作ってきた、人生のひとかけらが、
最期の時に向かうとき、パズルのようにしっかりと組み込まれていき。また新たな形を作り上げていく。それが本当に深いご縁というものなのだと、驚きと共に安らぎを感じる。
ありがたい玄の時を向かえさせて頂けているのだと、知る。
心から心から感謝。